2024.3.19
啓陽生、中々やるじゃないか! -3学期終業式-
3月19日(火)、3学期の終業式を行いました。
3年生が卒業し、1、2年生の人数とあって、体育館が少しガランとした感じでした。
令和6年度は、学園創立100周年を迎え、10月18日(金)には記念式典を行います。卒業式に臨んだ姿勢とともに、商業高校ならではの「ビジネスマナー」の真価が問われることになります。
〈校長式辞から〉
医者は、患者の「心」に刺さっている先のとがった「串」を抜いてやるのが、仕事だと聞いたことがある。上手いことを言うものだと思ってきた。嫌なことや心配ごとがあると、確かに「心」に「串」が刺さったような感じだ。ここ数年、そんな感じでいたのは、コロナ感染、自然災害、世界の動きなど、身の周りに、「暗い話題」が多かったからだろう。それが、最近、そんな気持ちとは正反対の、腰に張り付けたカイロのような、どこか暖かいもの感じられてならない。「この気持ちって何だろう、こんな感触はどこから来るんだろう」と自問自答すると、そんな気持ちの根っこに、先日の、「あの素晴らしい卒業式がある。」からじゃないかと思ったりする。
今年、初めて「卒業式歌詞暗唱コンクール」をやった。ほぼ練習どおりできたが、一つだけぶっつけ本番があり、それは2時間近い時間がかかったことだ。特に印象深いのは、呼名の場面だ。在校生の微動だにしない姿勢は、学園歌を歌い終えた後の余韻と静寂の中、ピーンと張りつめた会場の雰囲気を一層重々しいものにした。その姿に感動を覚え、「啓陽生、中々、やるじゃないか」と、呼名の間中、何度も思った。残念ながら、最近の学校では、啓陽高校のような卒業式が、できにくくなっていると聞く。
以前、卒業式と同じようなことが、9年前、「学校創立10周年記念式典」であった。会場は、アクトの中ホール。全校生徒の前に座る200人近い来賓の方々が、啓陽生が、学園歌を歌い出した瞬間、その迫力ある声に一斉に驚いた表情をして、何人もが、後ろを振り反って見るということがあった。
今年は、学園創立100年目。10月18日には、その記念式典がある。この卒業式以上の、「啓陽生、中々、やるじゃないか」という学校力を、同じ会場で見せてくれるものと期待している。
卒業生へ向けた「送ることば」の中で、「杖ことば」という言葉を紹介した。人
が色々な苦難を乗り越えて生きていくとき、その一歩一歩を進める「杖」になって、支えてくれる言葉だと言う。学年末、春休みを前に、あれをしなさい、こうしたらだめだということでなく、今日は、その「杖ことば」として「啓陽生、中々、やるじゃないか」という言葉を送る。それに違わない生活をしよう。そして、桜が咲く4月、新入生を迎えた新学期の始業式で再会しよう。