お知らせ

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2025.1.6

人数分の志を ― 3学期始業式―

令和7年1月6日(月)、朝から生憎の雨模様でしたが、新年を迎えた清新な雰囲気の中で3学期始業式を行いました。校長から、歳を重ねた意味や志を話題にした話がありました。
〈校長式辞から〉
「お正月」という歌がある。凧やコマ遊びが似合う年頃の子どもが、正月がやって来るのを楽しみにして待つ気持ちを歌にしたもので、「早く来い来い、お正月」と結ぶ。また一つ年齢を重ねた。
冬の寒さ、勉強、部活動、家事手伝い、また人によってはアルバイトの疲れもそっちのけで頑張れる、疲れ知らずの時代にある啓陽生の皆に、「まだまだ負けないぞ」という気持ちでここに立っている。
詩聖、杜甫というは「人生七十、古来、稀なり。」と漢詩にうたった。我が国では、70歳を「古稀」と言っている。その古稀にまた一つ近くなった。「だが、70も80も90も一向に稀でない。」という思いの下、「啓陽生、皆の成長のためなら、何でもやるゾ」という気持ちで今年もやっていく。中国では、「学問に志す」年齢は15歳で、それを「志学」と言っている。本校の1年生は「志学」3年目。2年生は4年目、3年生は5年目を迎えた。新年、皆は、どんな学びへの志を立てたか。
新年の新聞広告に、「広く、周囲を見回すと、今日、色々な課題を抱えている。その課題を乗り越えるには、そこに関係する地域や国に生きる人の数だけの志が必要だ。その一人ひとりの志が一つになると、それが、その課題を乗り越えていく原動力になる。だから、人の数だけ志が必要だ。」という主旨のメッセージがあった。
啓陽生が専門とする商業広告だ。これだけなら特別なことを言っているものとは思えなかったであろうが、この時は、その重みがストレートに伝わって来る感じがした。「これだ。まさにこのことだ。」という確信だ。その確信に代えたものは、本校の生徒会誌『光満』に収めることになる、3年生全員の、「高校3年間で私が成長したこと」という題で書いた、一人約400字の原稿文だ。私は、この正月、原稿チェックを依頼されていた。全員に共通することが、四つあった。一つは、中学校のときは、自分に満足できなかったこと。例えば、人前で話せない、勉強に自信がない、テストで点が取れないなど。二つ目は、たくさんの友達と出会えたこと。クラス、部活動、たくさんの友達に出会え、友達に感謝したいと。三つ目は、今、充実感と満足感があることだ。そして、四つ目は、高校生になったら「これじゃだめだ。今までの自分を変えるんだ。」という強い気持ち、つまり「志」を持って、それを失わないできたことだ。
そうした3年生183人分の文章を読んで得た感想が、新聞の二面に渡って掲載された大広告のメッセージとピタリと重なって、こうして新年、新学期の大切な場所で、皆に話したい気持ちになった。
学園創立100周年に当たった昨年は、皆の志が、記念式典で形となり、生徒会の取組みの中でも発揮された。「志」、正に「心の指し示す方向」だ。ここに集う啓陽生と先生方、約600人分の志が、皆の成長にも、啓陽高校が目指すところにも必要だ。
なお、成年年齢が18歳に引き下げられたものの、「はたちの集い」や「二十歳の記念式典」などの呼び方で、20歳になった人を対象に成人式が開催される。浜松市では、この1月12日に、卒業した中学校単位で行われるという。「志学」の次は、30歳の「而立」。20歳は、その通過点にある。3年前に本校を卒業した生徒が、母校の中学校へ帰って、中学校の恩師や同級生と20歳のお祝いをする。そうした卒業生に続くよう、今年、今学期も好ましい高校生活を送ろう。

終了後、引き続き、顕著な成績を収めた生徒の表彰を行いました。

                           〇第61回西部高等学校ワープロ新人競技会 個人佳良賞 1年生 藤川颯大