2024.7.19
今に彼は大物になる! -1学期終業式-
7月19日(金)、1学期の終業式を行いました。
式に先立ち、今学期、顕著な活躍をした生徒の表彰を行いました。
・国家資格 情報処理技術者試験 情報セキュリティマネジメント試験合格
2年生 村松夏妃
・マイクロソフトオフィススペシャリストエクセル2019 エキスパート
2年生 袴田俊貴
3年生 鈴木友結 前田里輝都 大西海輝
・全国高等学校情報処理競技大会 静岡県予選
団体 第6位
個人 佳良5席 3年生 川合健太郎
・東海高等学校総合体育大会 軟式野球競技 準優勝
・全国高等学校ワープロ競技大会 静岡県予選
団体 第6位
・全国高等学校簿記競技大会 静岡県予選
団体 第5位
続いて生徒課、教務課から夏季休暇中の注意があり、終業式となりました。
〈校長式辞から
今年も、暑い夏がやって来た。
学園創立100年目。清徳学園の100回目の夏だ。100年前の、大正13年の先輩は、どんな夏を迎えたか。関東大震災後、首都東京の復興の槌音を、新聞や感度の悪いラジオで聞きながら迎えのかも知れない。太平洋戦争中にあっては、勤労動員先で機械部品や軍服などを作りながら、休みのない夏休みを迎えたのかも知れない。
令和6年、学園の100年目に当たる年、啓陽生には、どんな夏が待っているだろうか。今学期、皆は、すべきところ向かって、コツコツと努力できたか。「点滴、石をも穿つ」という諺がある。その諺の意味の大切さを考えると、30数年前、当時勤務していた学校の図書館から見た、あるサッカー選手の姿を思い出す。
その日、その人は、私の学校のサッカー部員と練習するということで、帰りのSHR前のグランドで一人、ボールリフティングなどをしては、部員の出を待っていた。それを見ていた私に同僚の教員が近寄ってきて、「今に彼は、大物になる。きっとなる。僕はそう思うよ。」と言ったことがあった。そんなことがあってから、30年以上経ったある日のスポーツ新聞に、その彼の偉業を讃える記事が掲載された。その彼とは、皆も知る、「キング・カズ」こと三浦知良選手だ。明治安田生命のCMでも知るとおりだ。サッカー強豪校として知られる静岡の高校を1年で中退し、単身、ブラジルにサッカー修行に出た。
サッカー修行の道は、決して平坦ではなく、ブラジル3年目の年、ふと立ち寄ったリオの公園で、地元の貧しい少年たちがサッカーをするのを見たという。裸足の子、片足が不自由な子たちが、古くて汚いボールを楽しそうに追っかけているのを見て、新たな決意を抱いて、地道に努力することを心に誓ったということだ。
後でわかったことだが、私が、図書館の窓から見た三浦選手は、SBSカップに出場するため、地元のサッカークラブの一員として日本にやって来た時、私の同僚教員との縁で練習に来ていたということだ。その後、プロ契約をして、Jリーグスタートの中心的な役割を担い、現在に至るまで、「キング・カズ」というニックネームで、今日の超有名選手からも深く慕われ、尊敬をされている。
冒頭、明日からの夏休みを前に、「コツコツと努力できたか」と皆に問う中で、思い出話をした。これから40日という時間は、三浦選手の30数年とは、その長さこそ違え、「点滴石を穿つ」という諺の真意は、当然、啓陽生にも通じるものだ。毎日、安全、健康を心掛け、怠けず、真面目に、すべきことにコツコツと努力する期間にしよう。