2023.12.20
長く控えてきた全校式典 ―2学期終業式―
12月20日(水)、2学期の終業式を行いました。
終業式に先立って行った表彰式では、「税に関する高校生の作文」で最優秀賞となった1年生の河原崎敬子さん他、情報処理、簿記競技会で顕著な成果を得た人を称えました。
○「マイクロソフトオフィス・スペシャリスト」試験合格
3年生 田光七夏さん
2年生 鈴木友結さん
〃 前田里輝都さん
〃 大西海輝さん
○第20回静岡県高等学校簿記新人競技大会2年生の部
団体4位
個人佳良賞 2年生 金子優太さん
〈終業式/校長式辞から〉
コロナ感染や熱中症などの心配から、長く控えてきた全校式典ができた。
1年生は、検定試験や学校行事にクラス、学年の一体感があった。2年生は、学年の良いところが「形」となって表れた。3年生は、さすが3年生と思えるところがたくさんあった。就職内定先の期待に応え、進学先で希望する勉強に向けたよいスタートが切れるよう準備してほしい。
私事だが、私はある俳句の会に入り、季節の所感を句に詠んで楽しんでいる。今回、選ばれた秀句の一つに「映し出す黒い鼻水戦火の子」があった。戦火は戦禍でもよい。砲弾やミサイルで破壊された建物の塵や埃を浴び、父や母や兄弟を失って泣きじゃくっている子どもが、瓦礫の傍に立ちすくんでいる姿が、テレビで報じられていたという。啓陽生は、この場所はどこと想像したか。ロシアとウクライナ、イスラエルとハマス、それとも修学旅行で訪れた沖縄、原爆が投下された長崎の町…。大きな戦争が終わって78年が経った。今、同じことが起こっている。
時にそうしたテレビ映像や報道写真の中に、私たちがよく知るエンブレムが付いた自動車が破壊され、無残な形で、焼け焦げているのを見ることがある。日常の暮らしによく馴染んだ自動車で、もしかしたら、焼け焦げた自動車は就職した本校の卒業生が造ったものかも知れない。そうした自動車が啓陽生の通学の足になっている一方で、その同じラインで造られた後、殺戮と破壊の対象になってしまっているところを目の当たりにすると、心から辛い気持ちになる。
皆は、高校卒業までに選挙権が与えられ、誰もが社会人となるのだから、相応に身の周りの世界のことに関心を持ってほしい。皆が、クリスマスや正月を楽しみに待てるのは、決して「偶然」でない。
大晦日近くになると、テレビや新聞で、この一年を振り返る番組や番組が組まれる。そうしたものを拠り所に、高1、高2、高3の学校生活とともに、世界や身の回りの出来事を振り返り、考える力を得てほしい。
凧揚げをしたり、コマ回しをして遊んだ日本の正月風景は、とんと見られなくなった。往く年、来る年。日本古来からの、生活の節目の一つとなる新しい年。元旦の朝の「清新で、瑞々しい」感じを大切にできる、そうしたよい年を迎えよう。